- 流し(ウインドスプリント)って何?
- 流しの効果を知りたい!
- 流しの取り入れ方を教えて!
今回はそんなお悩みを解決します。
- 流しとは?
- 流しで得られる3つの効果
- 流しを取り入れるポイント3選
本記事の執筆者

ふかまると申します。元箱根駅伝選手、ランニング歴は20年以上。小学生から大人まで指導経験があります。
流し(ウインドスプリント)とは、全力疾走の70〜80%のスピードで気持ちよく走るトレーニングです。流しにはランナーの基本的な能力を向上させる様々な効果があります。そのため、流しはトップランナーから初心者ランナーまであらゆるランナーにとって効果的なトレーニング。
ですが、流しをされている方の中でも、その効果を実感できていないという方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は流しで得られる3つの効果や流しを取り入れるポイント3選をご紹介していきます。
ぜひ日々のトレーニングに流しを取り入れてみましょう。
流し(ウインドスプリント)とは?
流しとは全力疾走の70〜80%のスピードで気持ちよく走るトレーニング。
風に乗るようなイメージで疾走するので、ウインドスプリントとも呼ばれています。100〜150mの距離を、少しずつ加速していき、5〜10本を目安に行います。1本では効果が薄いので、複数回行うようにしましょう。
流しで得られる3つの効果
それでは、流しで得られる効果を3つご紹介していきます。
1.心肺機能の向上
流しは心肺機能の向上に効率的です。ゆったりしたペースのジョグ(スロージョギング)では心拍数は上げにくいですが、流しを行い、心拍数を上げることで、酸素運搬能力を上げることができ、心肺機能の向上が期待できます。
2.足づくりになる
リディアード方式と呼ばれるトレーニング方法を生み出したリディアード氏は『流しは脚力をつけることができ、故障を減らす効果がある』と語っています。ただし、それはインターバル走ではなく、あくまで流しで得られる効果だと注意しています。インターバル走では負荷が強い、ジョグでは負荷が弱い。そんな場合には流しが有効的です。
3.大きな動き(ランニングフォーム)を手に入れる
流しではジョグの動きに比べて、自然と腕の振りやストライドが大きくなります。トレーニングの『特異性の原理』(トレーニングは方法によって効果が変わるというもの)に則ってれば、ジョグではジョグの負荷が、流しでは流しの負荷がかかるのです。また、大きな動きになることで、筋肉が動的ストレッチされる効果もあります。つまり、流しでは速い速度帯でしか鍛えられない負荷を筋肉、腱などに与えることができます。
このように、流しでは速い速度帯の身体の使い方(大きな動き)を手に入れるチャンスと言えるでしょう。
流しをトレーニングに取り入れる際のポイント3選
今まで流しのメリットをお伝えしてきましたが、少なからずデメリットもあります。大きなデメリットとは、やはりケガのリスクが高まること。
そのため、流しをトレーニングに取り入れる際には、次の3つのポイントを抑える必要があるでしょう。
1、ジョグの後に行う
流しの前には十分にウォーミングアップをしておく必要があります。そのため、通常はジョグの後に最後の刺激として行うのがいいでしょう。
2、徐々に加速していく
初心者の方は「大きな動きで走らなければ」という意識が強すぎるため、かなり力んで流しをしてしまう傾向があります。そのため、肩関節や股関節の可動域を徐々に伸ばしていき、徐々に加速していくといいでしょう。その際に「大きな動きで走る」という意識は必要ありません。ストライドは結果的に伸びている、という感覚でいた方が良いと思います。
3、楽に走る感覚を覚える
流しはスピード練習ではありません。あくまで全力疾走の70〜80%のスピードで気持ちよく走るトレーニングです。楽に加速していき、全力疾走の70〜80%のスピードで楽に走り続けられる感覚を身につけましょう。
ポイントは走っている最中に息がゼーハーしない範囲の負荷に抑えること。(インターバル期間はゼーハーいっても構いません)その速度帯で楽な動きを覚えていけば、スピード練習でも楽にスピードも上がり、結果的にタイム向上にも繋がります。そのため、ポイント練習やレースの前日に流しで刺激を入れて、身体が楽に走れる感覚を掴むという意味でも効果的です。
まとめ
今回はランナーの基本的なトレーニング、「流し」についてお伝えしてきました。
流し(ウインドスプリント)とは、全力疾走の70〜80%のスピードで気持ちよく走るトレーニングです。
流しで得られる効果は次の3つ。
- 心肺機能の向上
- 足づくりになる
- 大きな動き(ランニングフォーム)を手に入れる
そして流しを最大限に生かすために、トレーニングに取り入れる際のポイントは次の3つ。
- ジョグの後に行う
- 徐々に加速していく
- 楽に走る感覚を覚える
日々のトレーニングに「流し」を取り入れて、効率的に強くなっていきましょう。
それでは、また次回!