「リディアード式ランニングトレーニング」とは?5つのポイントを徹底解説!

  • リディアード式のランニングトレーニングって結局何なの?
  • ランニングのトレーニング計画の立て方が分からない!
  • どのくらい距離を走ればいいの?

今回はそんな疑問やお悩みを解決します。

本記事の内容
  • リディアード式のランニングトレーニングプログラムの5つのポイント
  • リディアード氏が全てのランナーに伝えたいメッセージ3つ

本記事の執筆者

ふかまる

ふかまると申します。元箱根駅伝選手、ランニング歴は20年以上。小学生から大人まで指導経験があります。

アーサー・リディアードは伝説的なコーチであり、そのトレーニング方法は今でも世界中のアスリートによって使用されています。リディアード式のトレーニング方法は、有酸素運動、坂道トレーニング、無酸素運動、テーパリングを開発することに焦点を当てた、期間を設定したトレーニングプログラムで構成されています。このプログラムは、選手の潜在能力を最大限に引き出しながら、怪我のリスクを最小限に抑えるように設計されています。

そこで今回は「リディアードのランニング・トレーニング」という書籍を参考にリディアード式のトレーニングプログラムの概要をご紹介していきます。

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((P~)の表記は本書を参考にしています。)

目次

リディアード式のランニングトレーニングプログラムの5つのポイント

それでは本書に沿って、リディアード式のランニングトレーニングプログラムの概要をお伝えしていきます。

リディアード式では次の5つのポイントを重視します。

  1. ランナーが最大限力を発揮できるトレーニングを行う。
  2. まずスタミナを発達させる。
  3. 次にスピードを発達させる。
  4. 次にスタミナとスピードをバランスよく発達させる。
  5. 最後にレースに向けてピーキングする。

それぞれについて見ていきましょう。

1.ランナーが最大限に力を発揮できるトレーニングを行う。

ランナーにはそれぞれタイプがあります。中距離型、長距離型、距離が得意、バネがある。そして、現在の走力。ランニングの基本の考え方こそ変わりませんが、それぞれのランナーに応じた強度、バランスでトレーニングを行うのがリディアード式です。逆に言えば、初心者ランナーであろうがエリートランナーであろうが基本的な考え方は同じということです。

2.まず、スタミナを発達させる。

リディアード式では、まず有酸素能力の土台を作ることが重要です。特に初心者ランナーである場合、快適なペースで簡単なランニングを行うことで、「有酸素能力を構築する基礎フェーズ」から始めることが重要です。さらに、リディアード式では日々のルーティンにヒル(坂道)トレーニングを取り入れることを勧めています。これにより、長距離を走るために必要な筋力と持久力を養うことができます。「有酸素」ランニングは時には速いスピード走ることもありますが、あくまで大事なのは個人に合わせてペースを調整すること。

ふかまる

マラソンもと日本記録保持者の高岡寿成選手はトレーニングの90%をキロ5分ペースで行っていたそうです。(P65)

3.次にスピードを発達させる。

堅固な土台ができたら、次にスピードの能力を発達させることが重要です。ただし、自分の体に耳を傾け、自分自身を無理に追い込まないことが重要です。このフェーズでは無酸素運動に焦点を当てています。これにより、スピードと持久力を向上させることができます。

4.スタミナとスピードをバランスよく発達させる。

このフェーズではスタミナとスピードをバランスよく発達させます。

5.レースに向けて、ピークを合わせる。

最後に、テーパリングフェーズでは、トレーニング量を徐々に減らして、体を回復させ、レース当日に備えるようにします。

以上が、リディアードのランニングトレーニングの5つのポイントです。

リディアード氏が全てのランナーに伝えたい3つのメッセージとは

さて、それでは本書から私が受け取った「全てのランナーに伝えたい3つのメッセージ」をご紹介したいと思います。それは以下の通りです。

  1. 「期分け」を意識すべし
  2. 「有酸素の土台」を作るべし
  3. トレーニングは継続すべし

それぞれについて説明していきます。

1.「期分け」を意識すべし

先ほどからお伝えしているリディアード式のランニングトレーニングの本質はズバリ、「期分けの重要性」だと個人的には感じました。

先ほど挙げた、リディアードのランニングトレーニングの5つのポイントをトレーニングスケジュールに落とし込むと以下のようになります。

  • 5〜10週間 基礎作りとして、有酸素能力向上のための走り込み。
  • 2〜4週間 スピードの下準備としてのヒル・トレーニング。
  • 2〜4週間 無酸素能力向上のためのトレーニング(主にインターバル)
  • 3〜4週間 有酸素と無酸素を組み合わせたコーディネーショントレーニング。
  • 1〜2週間 最終調整(テーパリング)

これはリディアード式ピラミッドと言われています。

レースに向けて、漫然とトレーニングを行うのではなく、意図的な戦略として計画を立てることの重要性を語っているわけです。この時に重要なのは、数字ではなく個々人の反応・感覚に応じて調整するということ。そして、リディアード氏は「それぞれのブロックの移動は滑らかに行われるべきだ」とも語っています。

2.「有酸素の土台」を作るべし

リディアード氏は「トレーニングの狙いは、レースのための無酸素能力を発達させることにあるが、その基礎となるのは、選手の酸素吸収能力、つまり有酸素能力の開発にある」(P69)と本書でも語っています。まずは長く、ゆっくり、基礎となる「有酸素の土台」を築き上げる。

リディアード式では週に100マイル(約160キロメートル)以上を目指します。さらにリディアード式では、長時間のロングランを行うことが重要。特に2時間以上のロングランを定期的に行うことで、持久力や心肺機能を向上させるとしています。「週間160キロを無理して行うよりも、120キロくらいに抑えておいて、ロングランだけはきちっと走り切る、とした方が有効的なんです」(P95)と語っているくらいです。

とはいえ、初心者ランナーの方はそんな負荷でトレーニングできない・・・と思われたかもしれません。

そこで個人的には初心者ランナーの有酸素トレーニングの実施方法としては以下のように行うことをお勧めしています。

  • 期間:5 ~ 10週以上
  • 内容:メインは会話ができるくらいのペース、慣れてきたらロングラン(起伏ありが理想)
  • 頻度:週に2~3回をベースに

3.トレーニングは継続すべし

リディアード氏は「週の中でメリハリをつけることが何より大事」と語っています。これは、リカバリー時間をしっかり確保することを意味しています。長時間のランニングをする代わりに、それ以外の日は休養や短く軽いジョギングなど負荷を調節することでケガなく継続的に取り組むことができます。例えば、無理やり週間160キロ走っても、次の週にケガしてしまっては本末転倒ですよね。

さらにリディアード氏は「純粋なスピードのための練習に最も大切なことは「リラックス」なんです」(P71)とも語っています。力みがあっては、エラーを生み、ケガに繋がる。そうするとトレーニングは継続できません。スピード練習でも「リラックス」をするコツは、「無理なペース設定をしないこと」、そして何より「有酸素の土台」が必要ということでしょう。

まとめ

リディアードのランニング・トレーニング」という書籍を参考にリディアード式のトレーニングプログラムの概要をご紹介してきました。

リディアード式のランニングトレーニングプログラムの5つのポイントは以下の通りです。

  1. ランナーが最大限力を発揮できるトレーニングを行う。
  2. まずスタミナを発達させる。
  3. 次にスピードを発達させる。
  4. 次にスタミナとスピードをバランスよく発達させる。
  5. 最後にレースに向けてピーキングする。

そして、本書から私が受け取った、リディアード氏のメッセージ3つは以下の通りです。

  1. 「期分け」を意識すべし
  2. 「有酸素の土台」を作るべし
  3. トレーニングは継続すべし

『リディアード式ランニングトレーニング』はレベルを問わず、全てのランナーに有効です。ぜひ参考にしてみてください。

それでは、また次回!

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プロフィール

ランニングアドバイザー|元箱根駅伝選手|ランニング歴20年以上|大学ではスポーツ科学専攻|小学生〜大人まで指導経験有り|楽しいランニングライフを送ってもらうべく、ランニングの魅力&継続のコツを丁寧に発信していきます

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