- デジタルデトックスしたい。
- 不整地ランニングの効果を知りたい。
- 走り始めてすぐに脚が棒のようになる。
- カラダを正しく使えていない感じがする。
- 効率的なランニングフォームを身に付けたい。
今回はそんなお悩みを解決します。
- 不整地とは
- 不整地を走る1つのデメリット
- 不整地を走る7つのメリット
本記事の執筆者

ふかまると申します。元箱根駅伝選手、ランニング歴は20年以上。小学生〜大人まで指導経験があります。
本格的なランナーならば不整地でのランニングは週に1回は取り入れたいところ。
なぜなら、アスファルトの上を走るだけでは鍛えられない部分をバランスよく鍛えることができるからです。
ですが実はランニング初心者にとってもメリットはたくさんあります。
例えば…
- 初心者にありがちな「足で蹴る走り方」から「足を回転させる走り方」に変えられる。
- リラックスすることを覚えることで力みグセが抜け、「動きが固いフォーム」から「動きがなめらかなフォーム」になる。
- 体幹が使えるようになることで、「重心が低いフォーム」から「重心が高いフォーム」になる。
一つでも思い当たる節があるランナーは、今回の記事は最後まで読んで後悔しないと思います。
それではランナーが意外と分かっていない「不整地を走ることのメリット・デメリット」について徹底解説していきます。
- 最高のランニングのための科学 ケガしない走り方 歩き方 / マーク・ククゼラ
「走ることに適した不整地」とは
まず不整地とはどんな場所なのかについて解説していきます。簡単にいうと、不整地とはアスファルトなどで舗装されていない場所のこと。


その上で「走ることに適した不整地」とはどんな場所なのでしょうか。それは次のような条件に当てはまる場所。
- 捻挫するような凸凹が無い
- 土や丈の短い草などの道
- ほどよくアップダウン(高低差)がある
これらの条件に合うコースを見つけることが重要です。なぜなら条件に合わなければ、次にご紹介する「不整地を走るデメリット」に繋がるからです。
不整地を走るデメリット
不整地ランの最大のデメリットは、捻挫のリスクが高まること。
特にコース選びを間違えると捻挫のリスクは一気に高まります。
捻挫なんて大したことないよと思われるかもしれません。ですが、捻挫によって足首の筋が伸びてしまい、左右のバランスが崩れ、その他の箇所の負担が大きくなり、ケガをするといった悪循環にハマってしまうことがあります。
ですから、しっかりと「走ることに適した不整地」を選んで、慣れるまではペース上げずに走ることが重要です。



実は私、不整地で捻挫して走れないほどのケガをしたことがあります。。皆さんはそのようなことがないように気をつけてくださいね。もし捻挫してしまったら、アイシングなど適切な応急処置をして、痛みを長引くようならドクターにかかりましょう。
不整地を走るメリット
では本題。不整地を走るメリットを7つお伝えしていきます。
- 「足で蹴る走り方」から「足を回転させる走り方」に変わる
- 足元の凸凹に対応するために足指のセンサーが働き、体幹を使える
- 力みグセが抜け、「動きが固いフォーム」から「動きがなめらかなフォーム」になる
- 平地を走る時よりも関節可動域が広がり、全身の筋肉を使う
- 足元が不安定なのでバランスをとる神経が鍛えられる
- 地面が柔らかいのでダメージが少ないため、長く走ることができる
- 豊かな自然の中を走ることで精神がリセットされる
それぞれについて見ていきましょう。
1.「足で蹴る走り方」から「足を回転させる走り方」に変わる
不整地はアスファルトのように地面が固く安定していないため、蹴るような走り方をすると上手く前に進みません。そのため真下に接地し、足を引き上げて回転させるような走り方が自然と身に付きます。
2.足元の凸凹に対応するために足指のセンサーが働き、体幹を使える
足指の機能を高めることはランナーにとって大事な能力。不整地を走ると、足元の凸凹に対応するために無意識的に足指のセンサーが働き、足指で地面を掴むような接地になります。つまり、足指の機能を高めるトレーニングになるということ。
足指が使えることによって体幹の筋肉が働きやすくなり、「重心が低いフォーム」から「重心が高いフォーム」、いわゆる腰高フォームになります。



足指の機能は本当に奥が深いので、いずれブログでより詳しくご紹介しますね。
3.力みグセが抜け、「動きが固いフォーム」から「動きがなめらかなフォーム」になる
ランニング初心者の方は着地の衝撃に慣れていないので、アスファルトの上を走ると脳が過敏に反応し、身構えようとして上半身の動きを固めてしまいがち。一方で不整地は地面が柔らかいので、脳のブレーキが解除されて上半身の動きがなめらかになります。
ただし、凸凹が顕著なコースでは、逆に捻挫をしないように身体をぎこちなく固めてしまう可能性も。コース選びには注意しましょう。



ランニング初心者の方は、まずはなめらかに身体が動く(走る)感覚を覚えることが重要です。
4.平地を走る時よりも関節可動域が広がり、全身の筋肉を使う
不整地にアップダウン(高低差)はつきもの。上り坂では腕を大きく振らなければ進みませんし、下り坂ではリラックスしてストライドを伸ばしながら足を回転させなければ推進力を維持して進めません。
アップダウンのある不整地ではそうした感覚が自然と身に付き、普段使わない筋肉に刺激を加えることができます。
5.足元が不安定なので神経が鍛えられる
そもそも、人間は次のような神経を使って移動していてもバランスを保って真っ直ぐに歩く(走る)ことができます。
- 視覚系
- バランス系
- 体性感覚系(筋肉や関節情報)
これらの情報は単体で機能しているのではなく、複雑に絡み合って機能していると言われています。
不整地を走ることによって、これらの神経をバランスよく鍛えることができます。特に体性感覚系が優れることによって、走っている最中の接地の反応が良くなります。すると一歩一歩の足の引き上げの反応が良くなり、楽に速いスピードで走ることができます。



トップアスリートはこの体性感覚がとても優れていると言われています。走力アップしたい方は積極的に不整地を走りましょう。
6.地面が柔らかいのでダメージが少ないため、長く走ることができる
アスファルトよりも地面が柔らかいため、関節や腱へのダメージが少なくなります。その分、走行距離を増やすことも可能でしょう。
余談ですが、ケニアのトップランナーは自然にリラックスしつつダイナミックなランニングフォームで走っていますよね。彼らが幼少期から、赤土と呼ばれる広大な大地(不整地)を走っています。
そして、日本にやってくるケニア人ランナーはアスファルトで走ることを極端に嫌がるそうです。それは「アスファルトを走ることによる足へのダメージを気にしている」という理由が大きいですが、その他にも彼らが本能的に「アスファルトを走ることによってダイナミックなランニングフォームが損なわれてしまうと考えている」のではないかと私は推測しています。
つまり、日本人でも走力アップを目指すのなら積極的に不整地を走るべきなのです。
7.豊かな自然の中を走ることで精神がリフレッシュする
自然に触れることは心の健康に対して効用があります。研究でも、うつや精神疾患に対しても効果があると言われています。
デジタル機器を使いこなす現代人は「自然欠乏障害」と呼ばれるほど。森や山の不整地のコースを走ることは精神のリフレッシュに繋がるでしょう。
「走ることに適した不整地」を探そう
まずは普段走っているランニングコースの近くに走りやすい不整地があるか確認してみましょう。大きな公園や川沿いの土手や砂浜なども日常のランニングに取り入れる価値はあるでしょう。
もしそのような場所が身近になければ「ご自身の地域+ランニングコース」でWEB検索して、不整地のコースがあれば、少し遠出して不整地ランする価値はあります。



東京都内であれば、砧公園のクロスカントリーコースや多摩川沿いの芝生などが不整地ランニングコースとして有名ですね。


不整地で走った効果を”不整地以外”で実感する
お伝えしてきた通り、不整地でのランニングには多くのメリットがありますので、習慣的に走られているランナーならば、週に1回10分だけでも普段のトレーニングに取り入れることをオススメします。(たとえ10分だけだとしても異なる刺激を身体に加えるという意味では効果的です)
そして不整地を走った後に、アスファルトの上を走ると、楽に推進力を得られる走り方になったという感覚が得られると思います。それは、当然「走りにくい不整地」から「走りやすいロード」に変わったこともありますが、先述したような不整地ランニングの効果から、あなたのランニングフォームが確実に変化した証拠です。特にランニング初心者の方はその感覚を大事にしていくことがランニングスキル向上のきっかけになることでしょう。
本格的にランニングフォームを改善したいという方はランニングマシンを使うことを個人的にはおすすめします。
なぜなら、感覚だけを頼りにしていてはバランスの悪さに気づかずケガをしたり、走力アップを阻害したりするからです。特にコーチがいない市民ランナーの方にとっては、日常的にランニングマシンを使い、感覚+客観的なデータからフォームチェックすることによって理想のランニングフォームを手に入れる近道になるでしょう。


まとめ
今回は「不整地を走るメリット・デメリット」についてご紹介していきました。
本格的に走られている方だけでなく、ランニング初心者の方にも「不整地を走る効果」をご理解頂けたらと思い、今回はなるべく論理的に説明してきました。しかし、ランニングの本質は楽しむこと。なので、まずは細かいことは考えずに不整地ランニングを通して、自然の大地を踏み締めて駆け抜ける楽しさを感じて頂けたらと思います。
そしてくれぐれも捻挫にはご注意いただき、さまざまな効果を実感できたのなら、日常のランニングにぜひ取り入れてみて下さい。
今後もランナーのためのお役立ち情報を発信していきますので、ぜひ『ふかまるRunning Blog』をチェックしてくださいね。
それでは、また次回!