- ランニング中に足首が痛くなる。
- ランニング中に足首の違和感が気になる。
- 足首のケアを教えて!
今回はそんなお悩みを解決します。
- 足首に痛みが出やすいランナーの特徴4選
- 足首を守る対処法4つ
本記事の執筆者

ふかまると申します。元箱根駅伝選手、ランニング歴は20年以上。小学生から大人まで指導経験があります。
「足首に痛みを抱えながら走っている」というランナーは少なくありません。しかし、そのまま痛みをかばい続けていると大きなケガに繋がることも。そうすれば、日常でも足首が痛み、ランニングどころか歩きでも気になってしまいます。
「走っていれば、ある程度の足の痛みは仕方がない。」
そういう考え方もありますが、痛みは身体が放つ大事なシグナル。無視すべきものではありません。つまり、痛みに鈍感であることは決して好まれることではないのです。
実は私も足首にケガが多いタイプのランナーでした。その経験から痛みのシグナルをきちんとキャッチして対応することの大事さを学びました。また、自分だけでなく、指導している市民ランナーの方の声を聞く中で、どういった時に足を痛めやすいのかというパターンを分析しました。
そこで今回は足首に痛みが出やすいランナーの特徴と4つ対処法についてご紹介していきます!
足首のケガをしやすい人の特徴4選
ではまず「そもそもケガをしてしまうのはなぜか?」について簡単に説明していきます。
トレーニングの基本理論は「負荷を与えることで筋肉が破壊され、時間を置いて修復することで元の状態よりも強くなる」というもの。しかし、「負荷に対して休息が追いつかない状態」になると身体は強くなるどころか、慢性的なストレスとなり、ケガのリスクが上がります。
以上に則り、足首のケガをしやすい人の特徴とは次の通りです。
- トレーニングの強度が高すぎて、最終的に足首に負担が大きくなっている。
- ランニングフォームの効率性が悪いので、そもそも足首への負担が大きい。
- 休息の頻度が低いため、足首の筋肉が回復しきっていない。
- リカバリーの質を高める行動が少ないため、足首の筋肉が凝り固まっている。


そこで今回はそれぞれの項目について対処法を見ていきます。
①トレーニングの強度が高すぎて、最終的に足首に負担が大きくなっている
そもそもランニングは、膝や足首に負担のかかる高負荷のスポーツです。着地による体への衝撃を和らげるために筋肉や関節が酷使されます。そのため一歩一歩にかかる衝撃が許容範囲を超えてしまえば、膝や足首を痛めてしまいます。(当然、ウエイトオーバーも足を痛める原因の一つになりえます)
その上で、ランニングはオーバートレーニング症候群になりやすいスポーツ。過剰なトレーニングの繰り返しでパフォーマンスが低下するだけでなく、慢性疲労状態となってしまいます。特に真面目で責任感があり、練習熱心なアスリートに多く起こりやすい傾向があるオーバートレーニング症候群。
このような状態ではキャパオーバーになり、腸腰筋をうまく使えずに、足先の動作が多くなり、足首への負担が高まってしまいます。まずはトレーニング計画を見直して、特に高強度のトレーニングの頻度を落とし、低強度のトレーニングで土台を作る期間を設けることを意識しましょう。
②ランニングフォームの効率性が悪いので、そもそも足首への負担が大きい
非効率的なランニングフォームでは、足首に過度な負担がかかってしまいます。特にふくらはぎが疲れやすいランナーは要注意。そのような方は、足首の伸展動作が強く、主に地面を蹴っている動作で推進力を生んでいる可能性大です。つまり、「ケガに繋がりやすいランニングフォーム」になっているということ。
とはいえ、「足首の伸展をしない」という意識を持つのはかえってフォームがぎこちなくなり、逆効果。「足首の伸展をしなければランニングができない」という根本的な問題をクリアする必要があります。
まずは、そのようなランニングフォームになっていないかチェックしてみましょう。
・シューズの底の裏が左右違った削れ方をする。
・片足で真っすぐに立つことができない。
・その場で腕振りをしたときに腕が重く感じる。
このような状態だと、身体のアライメントが崩れており、「ケガに繋がりやすいランニングフォーム」になっている可能性があります。
「アライメント」とは、骨、関節の配列や形状のことです。人の身体の構造は、どうしても歪みとねじれが存在し、この歪みが強いと故障との関連も高くなります。ランニングの単調な動作の繰り返しによって、知らず知らずに歪みが大きくなり、障害を引き起こすこともあります。
つまり、ケースバイケースではありますが、次のような対策をする必要があります。
- 走る前にストレッチポールを使って身体全体の歪みをほぐしてバランスを整える
- 肩関節、股関節のトレーニングによって、大きな部分を使えるようにする
- 日頃からフォームをチェックして、崩れる前に対処する


③休息の頻度が低いため、足首の筋肉が回復しきっていない
リカバリーに必要な時間は人それぞれ。ウェアラブルデバイスなどを使った客観的なデータと主観的な疲労感をチェックし、臨機応変に休む勇気を持ちましょう。①とも関連していますが、足関節の負荷の許容量を越えれば、痛めてしまいます。そのため、あなたにとって必要なリカバリー時間を確保することが大事です。(「あなたにとって」というところがポイント)
休息において最も大事なことは睡眠。睡眠時間を削ってトレーニングに励んでいるランナーも少なくありませんが、ランナーは睡眠時間を最低でも7時間は確保したいところです。


④リカバリーの質を高める行動が少ないため、足首の筋肉が凝り固まっている
②とも関連しますが、リカバリーの質を高める行動が少ないため、足関節の伸展に影響を及ぼす筋肉群がすでに凝り固まっている可能性があります。
そのため足首に違和感を感じている方は、以下の筋肉をチェック、ケアするといいでしょう。
足底(アーチ)
腓骨筋(すねの外側)
臀部
個人的なオススメはトリガーポイント社の製品ですが、テニスボールなど柔らかいボールであれば代用できます。
まとめ
今回は足首に痛み、違和感が出てしまうランナーの方に向けて、適切な対処法をお伝えしてきました。
足首を痛めてしまうパターンは次の通りです。
- トレーニングの強度が高すぎて、最終的に足首に負担が大きくなっている。
- ランニングフォームの効率性が悪いので、そもそも足首への負担が大きい。
- 休息の頻度が低いため、足首の筋肉が回復しきっていない。
- リカバリーの質を高める行動が少ないため、足首の筋肉が凝り固まっている。
それぞれのパターンに対して対処法をお伝えしました。
ランナーの皆様はケガなく、ランニングを楽しむための参考になれば幸いです。
それでは、また次回!